多くを語らぬヘタフェ柴崎岳。試合後のポーズが語る先発復帰への課題 (3ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 ボルダラス監督の柴崎に対する信頼が厚いことは、バルセロナ戦で負ったケガから戦線復帰して、早々に出場時間を与えられていることからもよくわかる。ただし、いくつかのチャンスに絡んだとはいえ、ラス・パルマス戦のパフォーマンスが柴崎を先発復帰させようと監督に決断させるものかと言われれば、そうだとは言い難い。それは試合終了直後の柴崎本人のポーズに一番表れていたと思う。

 調子がいいときにはメンバーをいじらない。スペインサッカーでよく言われるフレーズであり、特に柴崎がプレーする攻撃的MFは、ヘタフェの中でも厳しいチーム内競争があるポジションである。定位置を取り戻すのは周囲が思うほど簡単なことではない。

 繰り返しになるが、それでも監督の柴崎への信頼は厚い。ボルダラスは「まだ試合のリズム勘が足りていない」と、この試合の柴崎を評している。だがその一方で、「そのリズムを取り戻すためのメニューを伝えているし、休暇の間、そのメニューをしっかりと消化してくれるだろう」とも語っている。

 与えられた課題が達成されたときには、再び柴崎がスターティングメンバーに名を連ねることになるだろう。それが年明け初戦、1月6日のアトレティコ・マドリード戦になることも十分に考えられる。2018年は、柴崎にとっては勝負の1年となるだろう。

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