多くを語らぬヘタフェ柴崎岳。試合後のポーズが語る先発復帰への課題

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 2017年、最後の試合のゲームセットを告げる笛を審判が響かせると、センターサークル付近にいた柴崎岳は腰に手を当てて一点を見つめていた。

 リーガエスパニョーラ第17節、ヘタフェ対ラス・パルマス。ヘタフェは序盤の2得点で最下位ラス・パルマスからしっかりと勝ち点3を獲得し、順位は欧州大会出場権内の6位に手が届く位置にまで上昇した。

ラス・パルマス戦の後半16分から出場した柴崎岳。これで3戦連続途中出場となったラス・パルマス戦の後半16分から出場した柴崎岳。これで3戦連続途中出場となった

 だが、この試合のヘタフェはお世辞にも欧州を戦う力のあるチームではなかった。ラス・パルマス攻撃陣、特に無人のゴールへ蹴り込むだけのチャンスを含めて、再三の決定機を逃したロイク・レミーからひと足早いクリスマスプレゼントをもらったような試合だった。

 不甲斐ない戦いぶりは試合後のヘタフェの指揮官、ホセ・ボルダラスのコメントからもわかる。

「少しおかしな試合だった。チームがこんなに決定的なチャンスを作られるのはいつものことではない。(相手側に)もっとたくさんの得点が生まれていてもおかしくなかった。審判が笛を吹くまでは落ち着くことがあってはならない」と、内容には決して満足していなかった。

 柴崎は後半16分、ホルへ・モリーナと交代でピッチに立った。

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