スタメンだった香川真司、ドルトムント新監督の期待にゴールで応える (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「こういう時だからこそ、特に前半はバランスを見ることが大事だな、と。失点してしまうと厳しくなるのはわかっていたので、みんながバランスを重視しているぶん、サッカー自体はなかなか展開がなかったのですが、今のチーム状況を考えると、そこを崩すというよりは、まずはしっかりとしたポジションをマネジメントしながら戦っていく。失点をしないようにまずは守備をやっていこうというのは、プランとしてありました」

 本来引いて守るのはドルトムントのサッカーではない。だが、今はそんなことを言っている場合ではないということを、新監督ははっきりさせた。

 また選手起用も、若干これまでと変えながら、自然なものに見えた。システムを4-3-3に戻し、右SBには、今季ここまで起用されながら無理があるように見えたマルク・バルトラに代えて、本職のジェレミー・トリヤンを起用。中盤の3枚の底には守備的なユリアン・ヴァイグルを置き、その前に香川とラファエル・ゲレイロを並べた。3トップには右にアンドリー・ヤルモレンコ、左にクリスティアン・プリシッチ、トップにオーバメヤン。ベンチにはアンドレ・シュールレではなく、アレクサンデル・イサクが入った。

 ドルトムントが挙げた2得点には、いずれも香川が絡んだ。55分の先制点は香川のフリーキックから。シュートがバーにあたり跳ね返ったところを、ソクラティス・パパスタソプーロスが押し込んだ。2点目は89分、香川がヘディングで前線にパスを送ると、抜け出したオーバメヤンがエリア内に運び、GKをかわしたところで走り込んだ香川へパス。香川は右足ダイレクトで流し込んだ。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る