本田圭佑は日本代表の最終兵器か。
クラブW杯の大ハッスルにみる使い道

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 北中米カリブ海王者は南米王者に果敢に挑み、美しく散った。敗れはしたが、その戦いぶりは称賛に値するものだった。

 クラブW杯準決勝。グレミオ(ブラジル)と対戦したパチューカ(メキシコ)は、延長の末に0-1で敗れた。

 実力的には、グレミオが明らかに上だったはずだ。しかも、パチューカは3日前の準々決勝、ウィダード・カサブランカ(モロッコ)戦で延長120分を戦ったばかり。この試合が大会初戦のグレミオと比べても、不利は明らかだった。

 しかし、北中米カリブ海王者は、ただただ劣勢を強いられるばかりではなかった。前半から奪ったボールを確実につなぎ、反撃に転じた。決定機を作り出すことはできなくとも、うまくボールを動かすことで自分たちの時間を作り、一方的な展開にはさせなかった。

 さすがに60分を過ぎたあたりからは、南米王者に攻め込まれる時間が続き、ついには延長前半の95分にゴールを許して力尽きたが、胸を張ってメキシコへ帰れる試合だったに違いない。

「もう少し圧倒されるイメージで入ったが、思った以上に(ボールを)持たせてくれた。向こうは初戦で、たぶん僕らの初戦と同様で硬かった。勝機があるとしたら、そこかなと思っていたんで。前半の決めどころで決めていれば、勝つ可能性が数パーセントでも高まっていたが、それは言っても仕方ない。パチューカの実力から言えば、すべてを出し切ったと言っても過言ではない」

 そんな言葉で納得の敗戦を振り返った本田圭佑も、グレミオに何度も冷や汗をかかせたひとりである。

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