流血しながら「ほぼ岡崎慎司のゴール」。それでも悔しさをにじませた (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 当然、岡崎としては少なからず重圧を感じていたことだろう。

 ひとつ目の理由が、2−2の同点に追いつかれた直後のタイミングで投入されたこと。アウェーゲームではあったが、相手のニューカッスルは直近7試合で6敗1分の未勝利。まさに絶不調の状態で、この試合もレスターの攻勢が目立っていた。どうしても勝ち点3が欲しい展開で、岡崎は投入されたのだ。

 ふたつ目の理由が、ピュエル新体制になってから岡崎の得点がないこと。「新しい監督になってから点を決めていない。点を獲れば自分が使われるかもしれない」と本人が話していたとおり、ゴールを決めて定位置取りにアピールする絶好のチャンスがまわってきた。

 そして、最後の理由が、この試合でグレイが好パフォーマンスを見せていたこと。

 トップ下のプレーのコツを掴み始めたようで、グレイはメリハリの効いたプレーで攻撃にアクセントをつけていた。シンプルにさばくべきところはさばき、仕掛けるところは仕掛ける。クラウディオ・ラニエリ&クレイグ・シェイクスピアの前体制時代は恣意的なプレーばかりが目についたが、この試合に限って言えば、こうした悪癖が徐々に改善されているように見えた。ニューカッスルの寄せが甘かったことはあるが、『BBC』がグレイをMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選出するほどのパフォーマンスを見せていた。

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