イタリア敗退は番狂わせじゃない。
いずれ露見するはずだった才能の枯渇 (5ページ目)
90年代以降、フランス、スペイン、ドイツが育成に力を入れ、現在までの間に目に見える成果を挙げてきた。そして、これらの国にイングランドが続こうとしている現在、旧態依然とした体質のイタリアだけが取り残されようとしている。
イタリアがいないW杯を見るのは、あまりに寂しい。それが現実のものだとは、にわかに信じがたい気持ちがないわけではない。チームスタッフに抱きかかえられるようにして、泣きながらテレビのインタビューに向かうキャプテンのジャンルイジ・ブッフォンを見ているのは切なかった。
だが、この結末は決して番狂わせではなく、不運の一言で片づけられる出来事でもない。遅かれ早かれ、いずれこの日はやってきた。残念だが、そう考えるのが妥当なのだろう。試合終了のホイッスルと同時に耳をつんざくほどに鳴り響いたブーイングや指笛は、イタリアが変わるきっかけになるのだろうか。
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