イタリア敗退は番狂わせじゃない。いずれ露見するはずだった才能の枯渇 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 しかし、彼らがここぞという大一番で見せる集中力は時に感動的ですらある一方で、裏を返せば、それだけの力をコンスタントに発揮できるほどの地力はないということでもある。

 それは最近のW杯の成績を見ると、特に顕著だ。

 イタリアは2006年ドイツ大会で4度目の優勝を果たしたものの、その後は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会と、2大会連続でグループリーグ敗退。特に2010年は、パラグアイ、スロバキア、ニュージーランドという(あくまで名前だけを見れば)かなり楽なグループに入ったかに思われたが、まさかの最下位に終わっている。

 グループリーグ敗退が2大会続いていたことを考えれば、そろそろ予選敗退という結果に見舞われたところで不思議ではない。

 今回の予選でイタリアは、同組となったスペインの後塵(こうじん)を拝してプレーオフに回り、そこでスウェーデンに敗れて出場権を逃したわけだが、現在のイタリアが何かの大会でスペイン、スウェーデンとグループリーグを戦うことになったとして、イタリアが3位になったとしても、さほどの驚きはないのではないだろうか。

 W杯出場を逃したというインパクトが強すぎるあまり、いかにもあり得ないことが起きたかのような印象も受けるが、冷静に考えてみれば、十分に起こりうる結末だったと言うしかない。

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