大迫勇也、今季初ゴール。絶不調のケルンに後ろ髪を引かれつつ日本へ (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 しかしコルドバ自身が結果を出せない焦りからか独りよがりなプレーに終始し、大迫のチャンスは増えなかった。結局、大迫は中盤もこなしながら、前線でも汗をかく役回りをこなさざるをえなかった。

 ケルンはレッドスター戦の翌日、無所属だったピサーロを獲得した。得点力をもたらすための即戦力としての補強である。ライプツィヒ戦でベンチスタートだったピサーロの出番は象徴的な形でやってきた。54分、コルドバがドリブルの最中に太もも裏の肉離れで倒れ込み、交代を要請。そこで投入されたのがピサーロだった。場内は盛大な拍手とヒステリックなまでのピサーロコールに包まれる。コルドバにとってはつらすぎる交代シーンだった。

 バイエルンで数々のタイトルを獲得してきたピサーロの存在感はやはり際立っていた。前線に立つだけで相手のセンターバック2枚が常に気にすることになるので、誰かしらのマークが甘くなる。引いてきて組み立てにも参加し、チームメイトにとっては前線のよりどころになる。その結果、貴重な今季2ゴール目が決まったわけだ。

「すごく(ボールが)収まる選手だなと思った。まだまだ(コンビネーションは)どうなるかわからないですけど」と、大迫はピサーロの印象を語り、こう続けた。

「ほんとにみんなで歯を食いしばってやるしかないと思います」

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