コンフェデ杯開幕。W杯開催国ロシアのサッカーは、なぜ冴えないのか (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo Abaca/AFLO

 オーストリア、スイスで共催された2008年大会。ロシアは優勝したスペインと準決勝を戦い、0-3で敗れた。しかし、その戦いぶりは途中までかなりよく、番狂わせの可能性を秘めていた。MF系の選手が多くを占めるスペインの、その真ん中に固まりやすい傾向を見抜いたような知的なサッカーで対抗。スペインの選手交代を機にプランは崩れ、スコア的には完敗に終わったが、見せ場を作り、存在感を発揮した。

 監督が誰か、知りたくなるサッカーと言ってもいい。3-2で勝利した準々決勝、オランダ戦もしかりだった。好調を維持し、優勝を狙う勢いのあるオランダに対し、ロシアは従来の布陣を組み替えて臨み、それを勝因とした。

 采配を振るった監督はフース・ヒディンク。試合後の記者会見で、このロシア代表のオランダ人監督は、開口一番、詰めかけたオランダ人記者に向けて自らの采配を自画自賛した。

 ヒディンクのみならず、ロシアのサッカーが、最も華々しく見えた瞬間になる。

 だが、輝いて見えたのは、それが最初で最後。国力の割に振るわない原因はどこにあるのか。サッカーのスタイルは毎度オーソドックス。特段、守備的でもなく、パスワークを重視した、ロシアのアイスホッケーを彷彿とさせる繋ぐサッカーをする。だが、何かイマイチ冴えがない。巧さはあるがポップではない。

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