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岡崎慎司も闘犬になりセビージャ撃破。
「おとぎ話」に続編があった! (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 たしかに、ミルズの主張は高度な駆け引きを必要とするCLの戦い方としては間違っていない。しかし、自陣に引いて受けにまわる慎重策は、クラウディオ・ラニエリ前監督時代にまったく機能しなかった。だからこそレスターは、彼らにとって「唯一」にして「最強の武器」であるプレッシングサッカーにこだわった。「相手の出方にとらわれず、自分たちで前から行く。勝っても負けても、アグレッシブに戦うしかない。道が見えたときのレスターは強い」と岡崎が語っていたように、シェイクスピア監督が志向するプレッシングサッカーを貫いた。

 27分にセットプレーからレスターが先制してもアプローチを代えず、その後も積極的に追加点を奪いにいった。また、献身的なプレスでチームを支えていた岡崎を交代させた後も、戦い方はブレない。日本代表FWの代わりに入ったのは、センターフォワードのイスラム・スリマニ。ラニエリ前監督ならMFの起用で中盤を厚くし、守備を固めていたように思うが、ここでも攻撃の手を緩めなかった。

 結局、試合はレスターが押し切って2-0の勝利。2試合合計のスコアを3-2とし、レスターが初挑戦のCLでベスト8に進出した。MFサミル・ナスリの退場、MFスティーブン・エンゾンジのPK失敗、そしてホルヘ・サンパオリ監督の退席処分と、セビージャが自滅していった感も強いが、この日のレスターにはプレミアの頂点まで登りつめた昨季と同等の強さがあった。

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