原口元気はなぜ元気に走れるのか。その秘密は「超地味トレ」にあり (2ページ目)
印象的だったのは、地味なトレーニングが終わるやいなや、原口がサッカーボールを蹴り始めたこと。報道陣に囲まれる谷川氏から離れると、大学院生たちとボールを回し、急に楽しそうに動き回った。まるでそれまでは苦行を強いられていたのかと思えるほど、表情はいきいきと一変した。
谷川氏によれば、トレーニングは原口が浦和に所属していた14年2月から始まった。当初は毎週、筑波大学に通っていたが、ヘルタに移籍してからは夏と冬の年に2回。一回のセッションは3日間で、それまでの確認と次の半年間のメニューを試し、この時の動作を記録した映像をもとに、ドイツで原口が個人トレーニングを行なう。原口と谷川氏は週に2度ほど連絡を取り合い、メニューに微調整を加えることを繰り返しているという。
この3年でメニューには変化を加えてきた、と谷川氏は言う。まず最初は原口の足首の硬さや脚のつき方を考慮してケガをしない身体作りから始め、左右のバランスにも着手した。現在ヘルタで原口が左右の両ウィングをこなしていることは、トレーニングの賜物だ。
原口がこのトレーニングに求めているのはスピードだった。
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