原口元気はなぜ元気に走れるのか。
その秘密は「超地味トレ」にあり (3ページ目)
「スピード、スピードと言って、目指す選手像としても速い選手を挙げてきた。そのイメージを共有することが大事だった」(谷川氏)という。そしてこれまでは長い距離を速く走るということを追求してきたが、今後は初動の5~6メートルで最大速度に達することができるようにするのが目標だそうだ。
とはいえ、谷川氏が原口に難しい理論やトレーニングの内容を言葉で伝えることはあまりない。ピッチで無邪気にボールを蹴っている原口を見ながら、谷口氏はこう語る。
「彼は子供と一緒なんですよ(笑)。そこがなくなると伸びなくなる。全然、一生懸命じゃないですよ。でも、その童心があるからずっと蹴っているんです。平気で私にサッカーのことを聞いてくる。どうしたらあの角度からシュートが打てるかとか、90分の最後のエクストラタイムで全力疾走して得点を決めたいとか。誰よりも速く走りたいと言ってくるけど、それだと人との比較になっちゃうから、相手は自分だぞ、と。でも、そこはあまり口を出ししちゃいけないのかなと思ったり、複雑なところがありますね」
一方、原口はトレーニングの成果をこう語る。
「先生はあの感じなので、あまりトレーニングの意味とか言ってくれないんですよ。今でもこれは"なんだろう"っていうはあるけれど、やれば確実に身体が変わる。結果的に変わるから面白い」
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