さらば日本育ちの世界戦。トヨタ杯&クラブW杯の歴代ベスト3試合 (5ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

 4-0というスコア以上の大勝。サッカー王国ブラジルにとっては屈辱的な敗退劇だった。ブラジルのクラブが欧州勢に一方的な支配を許す姿に、この大会をトヨタカップのスタート時から追いかけてきた人は、隔世の感を抱いたはず。ジーコ率いるフラメンゴがリバプールに大勝した2回(1981年)大会当時、サッカーの神様ペレを生んだサントスのこの哀れな姿を、想像する者は皆無だったろう。欧州と南米との間に存在するサッカーの質の差が鮮明となった。進化が止まらない欧州サッカーの真髄を、グアルディオラの采配に見た試合。バルサ人気を決定づけた一戦になった。

 サッカーの近代史を語る上で欠かすことができないイベント。そんな大きなテーマを抱えたクラブW杯とナマで接する機会が今回で最後になるとすれば、それはとても残念なことだ。日本サッカーの停滞につながらないことを祈るばかりである。

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