意外と共通点が多いペップとコンテ。「高給取り」監督対決の軍配は? (3ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 ふたりの現在の姿には、選手時代の最初の恩師からの影響が色濃く表れている。シティのスペイン人指揮官は、クライフのようにじっとピッチを見つめて思案を巡らせていることが多い(もちろん時には、身振りを交えて指示することもある)。それに対してチェルシーのイタリア人監督は、ほとんど止まっていることがなく、常に大声で選手たちに檄を飛ばしている。最近のあるインタビューで、チェルシーのネマニャ・マティッチは「同じサイドの選手はうるさくて仕方ないだろうね」と笑顔で話し、「でもチームの誰もがコンテとの仕事を楽しんでいる」と続けた。

 シティは開幕6連勝の後に足踏みが続き、ここ2試合はなんとか競り勝ったものの、序盤戦の勢いは取り戻せていない。対するチェルシーは、9月にリバプールとアーセナルに連敗した後、3バックに変更してから破竹の7連勝。前節のトッテナム戦では7試合ぶりの失点で先制されたが、コンテのもとで再生したペドロとビクター・モーゼス(ファンが選ぶ11月の最優秀選手賞)のゴールで逆転勝利を収めている。不屈の闘志と反発力──。まさしくコンテの魂が宿ったようなチームの戦いぶりだった。

「今の我々は、2カ月前とは完全に別のチームだ」と47歳のイタリア人指揮官は試合後に語った。「私はこの選手たちのメンタリティーが大好きだ。またひとつ、これまでと異なる種類の自信を手に入れた」。

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