バイエルンもタジタジ。無敗の29歳、ブンデス最年少監督は何者だ? (4ページ目)

  • 鈴木智貴●文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by AFLO


 強敵バイエルンとドロー劇を演じた直後、ナーゲルスマンは冷静に試合を振り返った。

「1ポイントを持ち帰ることができてよかった。93分に、もしパヴェル(・カデラベク)のセンタリングがもう少し手前、もしくはサンドロ(・ワーグナー)にもう少し中へ入っていく時間があれば......ひょっとしたら2-1になっていたかもしれない。いや、だが後半の内容を見れば、我々ではなく、バイエルンが勝利に値していた」

 チャンピオンズリーグを3度制した経験を持つ、敵将のカルロ・アンチェロッティは、それに返すようにホッフェンハイムへ賛辞を送るとともに、新鋭監督の明るい未来を予想している。

「立ち上がりは非常に難しいゲームだった。ホッフェンハイムのプレッシングから抜け出すことができなかった。ナーゲルスマンが今後、ベストな道を進めるよう願っている。『ベストな道』とは、10~15年後に、彼が世界でベストなチームを率いるようになることだ」

 ナーゲルスマンが監督の座に就いて以降、ホッフェンハイムはリーグ通算24試合で勝ち点43を獲得しており、同期間でこれ以上のポイントを記録しているのは、バイエルンとドルトムントしかいない。近年ブンデスリーガの頂上を争っているこの2強にホッフェンハイムが割って入ることができれば、ドイツサッカーもますます盛り上がりを見せることだろう。

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