バイエルンを追う新鋭ライプツィヒが、ドイツのファンに嫌われるわけ (4ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by Getty Images

 このように、同業者からは褒めちぎられているライプツィヒであるが、他クラブのファンが抱く感情は対照的。彼らの多くが、ライプツィヒというクラブの存在そのものを嫌悪しているのだ。

 ライプツィヒが短期間で急激に成長できたのは、大手飲料メーカー「レッドブル」が2009年にメインスポンサーとなり、巨額の資金協力を始めたからだ。ドイツのサッカーフリーク、主にウルトラスなどは、伝統を重視して拝金主義を嫌う。彼らからすれば、ライプツィヒは悪魔に魂を売ったクラブのように見えているのだろう。

 約2年前のウニオン・ベルリン戦で、相手ファンから「ライプツィヒではサッカーファンの文化が死んでいる」と書かれた横断幕を掲げられたが、それはまだかわいいほうだ。2015年2月には、エルツゲビルゲ・アウエのファンが、レッドブル創業者のディートリヒ・マテシッツ氏が国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス・ドイツ)の制服を着ている絵を飾り(本件はドイツサッカー連盟が約390万円の罰金をクラブに科している)、それから1カ月後の3月には、カールスルーエのファンたちがライプツィヒの宿泊ホテルに押し入った。

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