「チームにスイッチを入れる男」。急上昇した岡崎慎司の存在価値

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

「得点? 入れていなかったら、『結局、点を獲れないのか?』という見方になっていたと思う。だから、自分の人生を分けるようなゴールだった気がします。点を入れていなくても、試合に勝てば、『起用してよかった』と思われるかもしれない。だけど、それ以上も、それ以下でもない評価で終わっていたでしょうから」

 試合後、レスター・シティの岡崎慎司は、今季リーグ戦で初ゴールを奪ったことに安堵の表情を見せていた。

待望の初ゴールを挙げてチームメイトにもみくちゃにされる岡崎慎司待望の初ゴールを挙げてチームメイトにもみくちゃにされる岡崎慎司 たしかに、ゴールを挙げたことの価値は大きい。夏の市場でFWイスラム・スリマニが加入してから出場機会が激減し、最近はベンチを温める日々が続いていた。そんな厳しい状況のなか、国内リーグ戦で5試合ぶりに先発を言い渡された。10月22日に行なわれたクリスタル・パレスとのプレミアリーグ第9節で、新加入のスリマニと2トップを組んだのである。過去8試合で5回も出番のなかった岡崎としては、またとないチャンスだ。

 この大事な試合で、チームパフォーマンスを著しく改善させる効果的なプレーを見せたうえに、しっかりと結果を残した。だからこそ、「もう1回、チームにスイッチが入るきっかけになる」と内容を伴う勝利に手応えを掴みながら、リーグ戦の今季初ゴールに「ホッとした」と笑みを浮かべた。逆風を追い風に変える、起死回生の一戦になったのは間違いないだろう。

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