「チームにスイッチを入れる男」。急上昇した岡崎慎司の存在価値 (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 得点後、コーナーフラッグまで走り抜け、天を仰いでゴールを祝った。チームメイトにもみくちゃにされた後、リスタートのため自陣に戻る際、ひとり拳を固めて小さくガッツポーズしていたのが印象的だった。苦しい状況を、ひとつ乗り越えた瞬間だった。

 英メディアも、そんな岡崎の起用効果を大きく伝えている。英紙『デーリー・スター』が「シンジは頼りになる」と報じれば、地元紙『レスター・マーキュリー』も「試合序盤の大きなチャンスは決められなかったが、見事にゴールを決めた。試合を通してすばらしかった」と評した。

 さらに、BBCのプレミアリーグ・ダイジェスト番組『マッチ・オブ・ザ・デイ』も、岡崎の特集を組んだ。この試合で解説を務めたのは、元オーストラリア代表GKで昨季までレスターに在籍したマーク・シュウォーツァー。彼は次のように話した。

「岡崎がチームにとっていかに重要か、ここまで過小評価されていた。岡崎の走行距離は両軍でもっとも長く(※11.66kmを走った岡崎が1位。2位はジェームズ・マッカーサーの11.57km)、スプリントの数も一番多かった(※73回の岡崎が1位。2位はアーメド・ムサの64回)。おかげで、レスターは昨季のようなプレーを見せた。彼のハードワークがどれほど過小評価されているか。岡崎は本当にすばらしかった」

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