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岡崎慎司ベンチ外でまた大敗。
迷走するラニエリよ、どこへ行く? (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 選手たちもフラストレーションを溜め込んでいた。前半にはパスの出し方をめぐり、バーディーが鬼の形相で右SBのルイス・エルナンデスを叱りつける場面があった。足もとにパスを入れたエルナンデスと、サイドのスペースに"走らせる"ボールが欲しいバーディー。どちらが正解というより、歯車が噛み合っていないことのほうが気になった。こうした小さなズレがチーム全体に蔓延し、狙いの見えない凡庸なサッカーにつながっていたからである。

 試合後のラニエリは、「バーディーとムサを2トップに起用したのは、足の速さを使って前線から強くプレッシャーをかけたかったから」と、FWのセレクションについて説明した。しかし、指揮官の狙いはまるで機能せず、29分という早い時間帯にバーディーを1トップに配した4−5−1へとシステムチェンジを強いられている(※ムサは左MFに移動)。それでも内容は一向に改善せず、後半にラニエリの怒りが爆発したのだ。

 自分の考えをチームに落とし込み、狙いに沿ったセレクションを行なうのが指揮官の務めである。そして、思うような試合展開にならなければ、適切な軌道修正を施す必要がある。しかし、チェルシー戦のラニエリは、いずれも正しいオペレーションを行なっていなかった。

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