香川真司はベンチ外、チームは
レアルに善戦。なぜこうなったのか (3ページ目)
予想外だったのはゲレイロの活躍だ。ポルトガル代表ではサイドバックを務め、ドルトムントに移った初期はインサイドハーフでもプレーしていたが、現在は左ウィングに定着しつつある。ボールを運べ、中に入ることもでき、なおかつプレースキックも持っている。正直なところ、ここまでの高い質を発揮するとは驚きだ。そしてゲレイロの活躍が、現実的に香川の立ち位置を厳しいものにしている。
だがゲレイロはウィングだから、前に挙げた4枚のうち、香川はインサイドハーフでプレーすることを狙えばいいという考え方もできる。今のところ、そのポジションでプレーするのはゲッツェとカストロだ。
ゲッツェに関しては、今のところまだ懐疑的にならざるを得ないのだが、カストロは新加入だった昨季とは大違い。トゥヘルの要求を理解したということなのだろう。新加入選手やオーバメヤンを自在に操り、自らもゴール前に入っていく。現在のドルトムントの好調はカストロの好調があるからだと言っても過言ではないほどだ。
トゥヘルの方向性、嗜好は明らかだ。「みんな速くて......」と、香川が呆れたように話すとおり、攻撃にはスピードのある選手が集まった。ウィングタイプの選手はみな小柄ではあるが、若く、長短のダッシュを繰り返すことができる。香川は昨季もオーバメヤン、ミキタリアン、マルコ・ロイスのスピードを中盤でどう生かすか、試行錯誤を続けた。今季もそれと本質的には変わらないのだが、ライバルの数が増えたことは間違いない。
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