Jリーグ1チームの総年俸より上。
欧州サッカー監督の年俸トップ10

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi photo by Getty Images

 前回のコラムで紹介したように、トップクラスのサッカー選手の収入は年々増加の一途をたどっている。これと同じように、超一流の指導者たちの稼ぎも一昔前とは比べられないほどになった。世界で最も愛されるスポーツは有数のビジネスと捉えられるようになり、トップ中のトップの人材の価値は高まり続けている。

 特に今季はテレビ放映権料の増加でさらに潤うプレミアリーグ勢を中心に、複数のエリートクラブで指揮官が交代。米『Forbes』誌が「ロックスター監督の時代」と名付けたように、キャラクターと才能の際立つ名将たちはスター選手と同様にスポットライトを浴び、大金を手にしている。

 今回は様々なソースをもとに推定年俸でランキングを作成。なかには、中規模のJリーグチームの総人件費よりも高額なサラリーを、1年間で手にする指揮官もいる。クラブフットボールの欧州一極集中化はまだまだ続きそうだ。

1位:ペップ・グアルディオラ/マンチェスター・シティ

 英国の各高級紙が報じたところによると、45歳のスペイン人新監督とシティの契約は3年間で、年俸は1520万ポンド(約20億円)。ただしタブロイド紙『The Sun』は、このうち2割ほどはインセンティブで、プレミアリーグやチャンピオンズリーグなどのタイトルを獲得できなければ、1300万ポンドほどになると伝えている。バイエルンでは基本給が1500万ポンド相当だったとされているが、旧知の友人でシティのフットボールディレクターを務めるチキ・ベギリスタインらの説得に応じた格好だ。いずれにせよ、世界最高額のサラリーを受け取ることに違いはない。

 ファーストチームの指揮を執った7シーズンで、6度のリーグ優勝と2度のチャンピオンズリーグ制覇を誇る当代随一の名将は、新たに預かったチームも早々に自分色に染めており、ポゼッションとハイプレスを基軸に初挑戦のプレミアリーグでも唯一全勝を維持して首位を走っている。それを思えば、およそ20億円の年俸も高くはない?

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