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「情けないっす」。エイバル乾貴士は
予想外の開幕先発も痛恨の不発 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kasamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 高い位置からプレスをかけるインテンシティあるサッカー。それが昨季のエイバルのよさだった。だが今季の開幕戦は、序盤からロングボールと縦への速い仕掛けをしてくるデポルティーボのサッカーの前に、自分たちのよさを出すことができない時間が続いた。

 それでも55分、ベベのCKにイバン・ラミスが頭で合わせてエイバルが先制点を奪う。だが、その喜びも長くは続かなかった。69分に同じようにセットプレーからペドロ・モスケラに同点弾を決められた。そして試合終了間際の87分には、微妙な判定とはいえPKを与えてしまう。デポルティーボはこのチャンスをしっかりとエースのルーカス・ペレスが決め、逆転に成功した。

 後味の悪い逆転負けを喫したエイバル。ベンチからチームの敗戦を見つめることになった乾は、試合終了を告げる審判の笛が鳴り響くと、足早にロッカールームへと姿を消した。

「監督の狙いとして早めにクロスを上げるというのがあるので、それを意識してプレーした。けど単純なクロスでは相手を崩せないし、ひと工夫をする必要があった」

 この試合、乾のクロスは味方に届かず、全ては相手チームが張った守備の網にかかってしまった。また、シュートに関しても34分の1本のみ。攻撃的な役割を担う選手として物足りない内容であることは、誰よりも本人がわかっていた。だからこそミックスゾーンに現れた乾の顔には笑顔がなかったのだ。

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