清武弘嗣を欠いてバルサに完敗。開幕直前、セビージャは大丈夫か (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kasamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 さらにこの試合先発出場を果たしたアンドレ・ゴメスやサミュエル・ウムティティなどの新戦力がチーム戦術にしっかりと適応するパフォーマンスを見せるなど、スペインスーパーカップの優勝という結果だけでなく、多くの収穫を手にした。

 問題はセビージャだ。

 2つのスーパーカップまでのプレシーズンマッチは6戦全てに勝利を重ねており、チームには大きな期待が寄せられていた。だが、レアル・マドリード、バルセロナという世界のトップ5に入るチームとの対戦とはいえ3連敗。ホルヘ・サンパオリ監督は試合後の会見で、「レアル・マドリード戦からの連戦による疲労蓄積が鈍いパフォーマンスの理由のひとつ」と分析したが、それ以上に心配なのは流動的なプレーがまったく見られないチームの完成度にある。

 過密日程による疲労蓄積はもちろん、守備陣に多くの負傷者を抱えベストメンバーをこの2試合は組むことができなかった台所事情など、もちろん考慮すべき点はある。だが、中盤と前線の距離が大きく離れてしまい、連携プレーがまったく見えず、サンパオリのチームの代名詞である高い位置でのプレスからの速攻は、バルセロナの前に形として見せることはできなかった。

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