清武弘嗣を欠いてバルサに完敗。開幕直前、セビージャは大丈夫か (3ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kasamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 また、選手個々を見てみても、王様としてチームに君臨することでその力を発揮するガンソはこの夜、ピッチ上にいるにはいたが、プレーに参加していたシーンを思い出すことができないほどの出来だった。もう1人の司令塔であるパブロ・サラビアにはボールは回っていた。だがレアル・マドリードの下部組織出身MFは球離れが悪く、味方がフリーでパスを待っていてもエゴの強いプレーを選択し、チャンスを無駄にする場面が目立っていた。

 イェウヘン・コノプリャンカ、マリアーノがサイドからの崩しでチャンスを作り出しても、フィニッシュする選手が見つけられないシーンが何度もあった。また、後半になると前半からのハードワークの影響からガス欠を起こし、パフォーマンスが落ちてしまうという課題も残された。

 タイトルのかかった公式戦で3連敗することは、もちろんチームの雰囲気を考えた上ではネガティブなものでしかない。エスパニョールとの開幕戦までに残された時間も多くはない。

 だからこそ敗戦を引きずることなく気持ちを切り替え、サンチェス・ピスファンで仕切り直しの勝利を手にすること。それがセビージャを今包んでいる重苦しい雰囲気を一蹴するために必要となる。スペインはある意味で単純だ。勝利、結果を残せば、皆がそれまでの悪い結果を忘れて喜んでくれるのだから。



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