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主力離脱のエイバル。
乾貴士がレギュラー奪取する条件は「火花」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 乾はスペイン挑戦2年目を迎える。1年目の出来には及第点が与えられるだろう。27試合出場(先発は18試合)で、準レギュラーの座を獲得した。

「乾がボールを持つと、何かが起きる予感がある」

 現地エイバルで取材をしても、サポーターや記者たちの反応はすこぶるよかった。チームメイトたちも、一目を置いていた。

「乾はボールコントロールが素晴らしい。ターンするときスピードを落とさずに持ち運べることで、相手を置き去りにできる。まるでメッシみたいにね」

 バルサの下部組織で育ったサウール・ベルホンも激賞するほどだった。特筆すべきは、同じポジションのライバルにそこまで言わしめた点だろう。昨季終了後、サウール・ベルホンはメキシコのクラブへ移籍。ちなみに同じくライバルだったシモーネ・ヴェルディ、イゼト・ハイロビッチも移籍している。乾は4-2-3-1のサイドアタッカーのポジション争いに勝ったわけだ。

 しかし、乾は4-4-2のサイドハーフとしては監督の信用を勝ち取れていない。サイドでテンポを作り、相手の攻撃を封鎖する役割は満足に果たせなかった。守備的に戦う上位チームとの対戦では、ことごとく先発を外れたのである。

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