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香川真司にライバルが大量発生。
主力が入れ替わったドルトムント (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 一方で守備はどうか。昨季、ドルトムントは攻撃ではバイエルンを2ゴール上回るリーグトップの82ゴールを挙げたが、失点数はバイエルンの17に対して34。いくつも試した変則的なシステムの弊害が数字となって表れたこともあるが、バイエルンに大きく劣ったのは守備面だった。

 フンメルスが欠けたCBの穴を埋めるのが、バルセロナから獲得したマルク・バルトラと、バイエルンから獲得したセバスティアン・ローデだ。ローデは守備的MFもこなす。前チームではジェラール・ピケやジェローム・ボアテングの牙城を崩せなかったふたりだが、実力には定評がある。ドルトムントの中国遠征では先発でプレーしており、まずはコンスタントな出場を狙う。

 また、SBにはポルトガル代表としてユーロでの活躍も記憶に新しいラファエル・ゲレイロを獲得した。フランスの養成機関クレールフォンテーヌ出身という異色の存在。同じ左SBにはマルセル・シュメルツァーもいるが、トーマス・トゥヘル監督はかなりフレキシブルな使い方をするはずだ。

 そんな中で香川はといえば、新たなライバルたちと切磋琢磨しつつ、中堅からベテランとして安定した活躍をしたい1年となる。

 中国遠征では、4-1で勝利したマンU戦は、先発して61分までプレー。28日に行なわれたマンチェスター・シティ戦(結果は1-1のドロー。その後のPK戦は合計4-5で敗れた)には後半から出場。チーム1番手でPKを蹴って決めている。今季もトゥヘル監督はターンオーバーしながら長いシーズンに臨むだろう。一喜一憂せずに前進していきたい。

 選手が大幅に入れ替わったトゥヘル体制2年目のドルトムント。バイエルンの独走を阻止してリーグ戦を面白くするという、重要な役割を担うことになる。

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