香川真司にライバルが大量発生。
主力が入れ替わったドルトムント
中国遠征でマンチェスター・シティ戦に後半から出場した香川真司 主力選手の流出が激しく、戦力ダウンは免れないかと思われたドルトムントだが、意外にもと言うべきか、さすがと言うべきか、悪くない陣容で新シーズンに臨むことになりそうだ。
チームを去った大物選手を整理すると、まずは昨季終盤にバイエルン・ミュンヘンへの移籍を発表したDFマッツ・フンメルス。発表後は試合のたびにひどいブーイングを浴び、国内のライバルチームへの移籍には、やはりサポーターの心情が揺さぶられるのだと痛感させられた。
フンメルスはドルトムントでキャプテンマークを巻いていたが、6歳からバイエルンの下部組織で育った。ある意味では凱旋になるが、本人にとってはステップアップという位置付けのようだ。移籍先にはスペイン、イングランドも考えていたようだが、望むレベルのクラブからはオファーがなかったという。
次いで早くから移籍が噂されていたMFイルカイ・ギュンドアン。今季からジョゼップ・グアルディオラが指揮を執るマンチェスター・シティへ移籍することになった。ドルトムントの主力として5シーズンをすごした彼もまた、ステップアップの時期だと捉えたようだ。シーズン終盤は練習中の負傷で戦線離脱し、ユーロにも出場できなかったが、無事に移籍が成立した。
そしてヘンリク・ミキタリアンはマンチェスター・ユナイテッドへ。シャフタールからやって来て3シーズン、時に香川真司のライバルになりながら、合計23ゴール35アシストと文句ない成績を残した。マンUへの移籍は香川真司のアドバイスが後押しになったという。ただ、いくらジョゼ・モウリーニョが指揮を執る注目チームとはいえ、2シーズン連続でチャンピオンズリーグ(CL)の舞台に立てないのは刺激不足だろう。
主力3人が去ったのは痛手だが、一方でドルトムントは可能性を感じられる補強に成功した。
攻撃的なポジションではマリオ・ゲッツェがバイエルンから戻り、ヴォルフスブルクからのアンドレ・シュールレとともに、ドイツ代表のふたりが加わった。昨季と違ってチャンピオンズリーグを戦い、バイエルンからタイトル奪還ももくろむチームにとって、心強い顔ぶれだ。さらに、実力的に未知数の部分もあるが、トルコ代表の19歳、エムレ・モルも獲得。昨季台頭したクリスチャン・プリシッチ(17歳)も含めて、香川とポジションを争うライバルになり得る存在だ。
一時さかんに移籍報道が流れていた絶対的エース、オーバメヤンに残留の目が出てきたのも朗報だろう。
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