酒井宏樹の野望。「マルセイユで絶対に取り戻したいものがある」

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 赤木真二●撮影 photo by Akagi Shinji

■酒井宏樹インタビュー part.2 part.1はこちら>>

 フランスのビッククラブ、オリンピック・マルセイユ(OM)を新天地として選び、これまで以上に厳しい環境に自分の身を置きながら、さらなる成長を求める酒井宏樹。

この新しいチャレンジについては「じっくり1、2年かけて、長いスパンで高い評価を得ていきたい」と言うが、このような冷静な考え方をするようになれた背景には、やはりハノーファーで過ごしたブンデスリーガでの経験があった。
マルセイユでの生活にも慣れつつあるという酒井宏樹マルセイユでの生活にも慣れつつあるという酒井宏樹
――新天地で新たなシーズンを迎えるにあたって、やはりハノーファー時代の経験は大きいのではないですか? ブンデスリーガでは、初年度こそロンドン五輪で出遅れましたが、2年目以降はコンスタントに出場し、4シーズンの公式戦出場数は100試合を超えました。

「そうですね。苦しいシーズンも経験しましたけど、コンスタントに出場させてもらいました。でも、1年目に"いい失敗"を経験したことで、2年目以降につながったのかな、と思います」

――その"いい失敗"というのは、具体的にはどんなことですか?

「それまで僕は、柏レイソルで常に楽しみながらサッカーをしていたんですが、突然、本当のプロの戦闘集団の中に、ポンと放り込まれた感じでした。『ダメだ、これは考え直さなければ』と、自分のプライドがゼロになりました(笑)」

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