レナト・サンチェスは12年前のC・ロナウドより上。ポルトガル4強 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 PK戦はポーランドの4人目、ヤコブ・ブワシュチコフスキが失敗。ポルトガルGKルイ・パトリシオにセーブされ、5-3でポルトガルの準決勝進出となった。試合を押していたのはポルトガルなので、このPKの決着には判定勝ちと同じような意味がある。

 とはいえ、両者は55対45より接近した関係にあった。ボール支配率に関しては46対54で、ポーランドに上回られていたほどだ。ここにポルトガルの弱みを感じる。ポーランドに技術力で上回るのに支配率で勝れない。

 ボールを奪い返すのに時間が必要なサッカーになっている。1回攻めたら、1回守る。攻めた時間以上に攻められる。確実に相手にボールを保持される。技術的に劣る相手に、だ。90分の試合で5試合連続引き分けてしまう理由もそこにある。

 ポーランドが好チームであったことも確かだ。おそらくこれまで見たポーランド代表の中で一番だろう。ポーランドを直近で、生観戦したのはウェンブリーで行なわれた2014年W杯予選、対イングランド戦(2013年10月)だ。ポーランドは0-2でおとなしく敗れ、ブラジル行きを逃した。

 だがいまイングランドと戦えば、7対3の確率で勝てるだろう。ボールを的確な場所に運び、ゴールを狙う。ゴールへのルートが見えた攻撃か否か、攻撃が論理的か否か、という点で、少なくともイングランドを上回っている。

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