【EURO】58年ぶり出場ウェールズ。A・ラムジーの「決意表明」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 また、国際経験が圧倒的に足りないウェールズ代表で、CLを制したベイルが持つ経験値も「貴重」であると、ウィリアムズは言う。

「彼の力を必要とするとき、我々の期待どおりに活躍してくれるのがベイルだ。ユーロの戦いは"世界"が舞台。代表内でもっとも経験を積んでいるのがベイルで、彼の経験値はピッチ内外で大きな価値を持ってくる。大会を通して、彼の力と経験は頼りになる」

 そして、もうひとり、ウェールズの浮上のカギを握っているのが、アーロン・ラムジーだろう。トップ下のベイルにラストパスを供給する貴重なパサーであり、推進力抜群のドリブルとフリーランで自らチャンスも呼び込む稀有なタレントだ。今季は所属先のアーセナルで思うようなパフォーマンスができず、批判にさらされる苦い経験もしただけに、今回のユーロにかける想いはひと際強い。

 そのせいだろうか。大会前に突然、髪の毛を金髪に染め上げて周囲を驚かせた。「大きな意味はないよ。単に変えたかっただけ。前から染めたいと思っていて、『やってみるか』って」と、本人は真意をはぐらかしたが、これまでベイルの影に隠れて主役になりきれなかっただけに、ユーロへの"決意表明"とも受け取れるだろう。実際、「ユーロでは印象に残るプレーを見せたい。それが目標だ。決勝トーナメント進出の力になりたいし、そこからどこまで勝ち進めるか。僕自身もウェールズの底力を見てみたい」と話している。

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