スペインデビューの元レイソル鈴木大輔。「ここで魂を磨いておく」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Juan Carlos Mancelas

「こっちのガス入りの水、うまくないっすか!?」

 鈴木は少しはしゃぐように言う。それは「vichy catalan」のことで、高級な天然発泡水だが、バルセロナとその周辺では日常的に飲むことができる。わずかな塩味が癖になる。

「タラゴナはすごくいい町ですよ。スタジアム近くに家も決めました。気に入っています」

 ナスティックの日本人センターバックは満面の笑みを浮かべた。

「選手のレベルは高いですよ。サッカーを知っている、という選手ばかりですね。ポゼッションだろうが、ショートカウンターだろうが、順応できるんです。それは率直に驚きましたね。気になって所属選手の経歴を見たんですが、レアル・マドリードでデビューした選手やバルサの下部組織で育った選手、エマナのようにカメルーン代表としてワールドカップに出場した選手もいました」

 ナスティックの所属選手の多くは、1部でのプレー経験がある。例えばセンターバックでレギュラーのイアゴ・ボウソンはレクレアティボ時代に1部での試合出場を重ねている。

 スペインは2部といえども、そのレベルは非常に高い。プレミアリーグで首位を争うレスターのFWレオナルド・ウジョアもスペイン2部が主戦場だった。そうしたケースは枚挙にいとまがない。スペイン2部で活躍できた選手は、ブンデスリーガ、セリエA、プレミアリーグなどでも十分に通用する能力を持っているのだ。

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