2016.03.16

風邪でしんどい岡崎慎司が決めた
「忘れられない」スーパーゴール

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 終了のホイッスルが鳴ると、試合を中継した『スカイスポーツ』のテレビカメラマンが、クラウディオ・ラニエリ監督に近づいていく。カメラをグッと寄せられても、口を真一文字に結んだまま、微動だにしないイタリア人指揮官。しばらくすると、今度は決勝弾を叩き込んだ殊勲の岡崎慎司にカメラを向けた。プレス席に設置されているモニターには、ニット帽を被った岡崎の姿がしばし映し出される。笑顔で仲間と抱擁を交わしていく日本代表FW。試合後は決まって、ゴールを奪ったヒーローを捕まえるテレビカメラの視線は、1-0の勝利の立役者となった岡崎を捉えて離さなかった。

ホーム初ゴールを決めて喜びを爆発させる岡崎慎司 衝撃的なゴールは、25分に生まれた。

 ニューカッスルのDFスティーブン・テイラーのクリアが後方にそれると、ゴール前で待っていたFWジェイミー・バーディーがヘッドで横パス。ゴールに背を向けた状態でボールが飛んできた岡崎は、滞空時間の長いジャンプから、そのままバイシクルキックで右足を合わせた。ボールはゴール左に、きれいに吸い込まれていった。

 1月16日のアストンビラ戦以来、約2ヶ月ぶりのゴール。そして、岡崎にとって、ホームゲームでの初ゴールにもなった。

「(軌道は)あまり見ていなかった。入ったかどうかもあまりわからなかったけど、歓声で入ったとわかった。まさかこんな形で決まるかぁって……」と明かす岡崎は得点後、バックステップで仲間を呼び寄せながらゴールを祝福する。途中、小さくジャンプしてガッツポーズを決めたが、後ろ向きで走っていたせいか、足がもつれてしまう。すると、笑顔で駆け寄ってきたバーディーとMFダニー・ドリンクウォーターに抱きつかれ、後からついてきたチームメイトたちに揉みくちゃにされた。