2016.03.17

バイエルン薄氷のCL8強。あわや1回戦敗退の危機に瀕した理由

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦セカンドレグ。ミュンヘンのスタジアムは異常なほどの興奮に包まれた。

延長後半3分、決勝ゴールをあげたチアゴ・アルカンタラ(バイエルン) ユベントスに2点を先行され、バイエルンが追いかける後半。攻めても攻めても決まらない。73分に1点を返したあとは、スタジアム中の声が選手たちをサポートした。バイエルンが決勝トーナメント1回戦で姿を消すなんてありえない。そう信じている観衆は感情を抑えようともせずに声援を送った。

 90分ギリギリに2点目が決まった時、観客のボルテージは最高潮に達した。2試合合計2-2。結局、バイエルンは延長後半に2点を決め、ベスト8進出を勝ち取った。試合終了のホイッスルを待たずに、多くの観客がスタジアムをあとにし始めた。

 バイエルンの主将フィリップ・ラームは「何より最高の雰囲気を作ってくれたサポーターを称えたい」と語った。ユベントスのマッシミリアーノ・アレグリ監督も「ミュンヘンでバイエルンと対戦したい人なんていない」と、最大限に発揮されたサポーターの力を認めた。

 とはいえ、試合はバイエルンの言わば自作自演のようなものだった。自分で自分の首を絞め、最後は自分たちで解決したようにも見えた。試合後のジョゼップ・グアルディオラ監督は「ユベントスは強い。昨季のファイナリストだ」と繰り返した。それは相手を難攻不落と呼ぶことで、自分たちの力を誇示しているかのようだった。