もはや「清武弘嗣のチーム」。復帰で見えたハノーファーの光明 (2ページ目)
清武のハノーファーにおける役割は、例えば香川真司のドルトムントにおけるそれとはまったく違う。香川が攻撃の主役とはいえ一選手であるのに対し、清武の場合はチームの大黒柱といえばいいだろうか。若いチームメイトを精神的に支え、動き回り、セットプレーがあれば蹴りにいき、時間帯によっては中盤に下がって守備のサポートもする。
よくも悪くも、清武がいないとあらゆる場面でダメになってしまうようなところがハノーファーにはある。加えて今季後半戦からは山口が加わった。酒井を含めた3人のコンビネーションがいいこともあり、より清武のチームである印象が強くなっている。「キヨくんがいるから」「キヨくんが戻ってくれば」と、酒井の口から聞くことは少なくなかった。
とはいえこの試合ではそんな時間帯も20分程度で終わり。徐々にペースはヴォルフスブルクに傾いていった。課題の一つはシュートの少なさだろう。ボールを回すことはできても、決定的なシーンまでには至らない。
清武が語る。
「(ボールが回った最初の20分くらいは)楽しかったですけど、ゴールに結び付けばもっといい。ありがちだけど、あれで満足する選手もいるし、結果的にゴールにつながらないと試合には勝てないわけだから。いい形でシュートまで行きましたといっても、(決まらなければ)『それでいいの?』ということ」
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