負けてもポジティブ。
クロップ監督の「リバプール改革」は続く

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 2月28日に行なわれたリバプール対マンチェスター・シティの「リーグカップ・ファイナル」。1−1のまま延長戦でも決着がつかず、試合はPK戦に突入した。

 リバプールの控え選手とコーチ陣がタッチライン際で肩を組み始めると、彼らを横目にユルゲン・クロップ監督はウェンブリー・スタジアムのベンチにひとり腰を下ろした。選手を信頼しているとでも言いたげな表情でPK戦を見守っていたが、マンチェスター・CのGKウィルフレード・カバジェロが神がかり的なセーブを連発。3本連続でPKを失敗したリバプールは、あと一歩のところで栄冠に手が届かなかった。

リバプールを率いて現在5ヶ月のユルゲン・クロップ監督リバプールを率いて現在5ヶ月のユルゲン・クロップ監督「このファイナルはクラブ、選手、そしてサポーターにとって極めて重要になる。ここで頂点に立てば、選手たちも自分たちの方向性が間違っていないと確信できるはずだ」

 決勝戦の前、クロップ監督はいつになく力を込めて語っていた。リバプールの監督に就任したのは、昨年10月。就任当初は成績もパフォーマンスも上向いたが、最近ではその勢いに陰りが見え始めてきた。シーズン半ばのこのタイミングで栄冠を掴めば、チームに活力と刺激を新たに注入できる。選手にムチを打つ意味でも、クロップ監督はタイトルを獲得することの相乗効果を期待していたはずだ。

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