負けてもポジティブ。クロップ監督の「リバプール改革」は続く (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 これで波に乗ったと思われたリバプールだが、しかし、その勢いは長く続かず、勝利を一気に手繰り寄せることはできなかった。ここがまだ、リバプールが「発展途上」である証(あかし)だろう。結局、延長戦で追加点は奪えず、PK戦の末に敗れ去った。

「クラブ広報が許してくれるのなら、こう言いたい......。クソみたいな気分だ。あぁ、まったくもってクソだな(苦笑)。明日になれば気持ちを切り替えられるが、敗れた直後の今は、何ひとつ変えることができない。大馬鹿者なら床に伏して、次の試合を待つのだろうが、すぐに立ち直らなければ。このままハードワークを続けていけば、トンネルの終わりに光が見えてくるはず。それこそが大事なことだ」

 試合後の会見で、クロップ監督は早口でまくし立てながら悔しさを露わにした。しかし、"クロップ語録"は健在で、「クソみたいな気分」とジョークを飛ばして記者たちをドッと笑わせた。敗戦後は決まって悲壮感を漂(ただよ)わせていたブレンダン・ロジャース前監督と違い、どこか心に余裕のある指揮官だなと、そんなことを記者会見から改めて感じ取った。

 そんなドイツ人指揮官の言うとおり、敗戦の先にある光を探していくプロセスこそが、今のリバプールには大事になってくる。

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