もはや「清武弘嗣のチーム」。復帰で見えたハノーファーの光明

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 ブンデスリーガ第24節、ハノーファーはヴォルフスブルクに0−4で完敗した。

 まぎれもないこのチームの主役、清武弘嗣がケガから復帰し、ここから立て直そうという期待が高まる中、ホームに強豪を迎えたこの一戦は、ある意味で不運でもあった。アンドレ・シュールレのハットトリックと、ユリアン・ドラクスラーの一発で4失点。フル出場した清武、山口蛍、酒井宏樹の3人は、落胆というより呆れたような苦笑いの表情で「いい時間帯もあった。勝ちにいった結果。仕方がない。次へ切り替えたい」と、同じようなコメントを残した。

 ここまでの大敗は予想できなくても、勝ち点3をあっさり取れる相手でないことくらいわかっていたからなのだろう。同時に、試合内容には手応えも感じられた。だからこそサバサバとしていたのかもしれない。

ヴォルフスブルク戦で2試合連続の先発をはたした清武弘嗣ヴォルフスブルク戦で2試合連続の先発をはたした清武弘嗣 清武が復帰した前節シュツットガルト戦は2-1で今年初勝利。そして復帰の効果は大敗したこの試合でさえ明らかだった。それぐらいハノーファーの印象はガラリと変わった。

 立ち上がりからショートパスがつながる。清武が1人入ったことで、周りが自信を持って動き出せる。様々な場所に顔を出し、パスを受けてくれるから、リズムがつかめるし攻撃的にプレーできる。1人が入っただけでこうも周囲の選手の動きが変わるものかと驚かされた。

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