貧しくてもセリエAで旋風。エンポリがもっとも大事にしていること (3ページ目)
したがって、昨年夏の時点からシーズン開幕後しばらくは、すべての報道機関がエンポリの名を降格候補に挙げていた。だが、2016年2月12日時点でエンポリは予想を覆す9位。では、その結果を出しているエンポリのサッカー、そして、ジャンパオロ監督のアイデアとは一体どのようなものか。
ジャンパオロ監督が徹底してチームに叩き込んできたのは、次のような事柄だ。
(1)ギリギリまでコンパクトに保たれた布陣と攻撃のための守備
(2)狭い局面でのポゼッションを可能にするための高いパス精度
(3)サッカーの基本である4局面、攻撃→ネガティブ・トランジション(攻撃から守備への切り替え)→守備→ポジティブ・トランジション(守備から攻撃への切り替え)におけるチームの意思統一と連携の強化
とはいえ、これらはプロであれば当然のこととして取り組むべき事柄に過ぎず、何ら特別なことではない。したがって、見るべき点は、その当然のことを「どのように」考えながら実践しているのかという具体的な中身だ。
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