貧しくてもセリエAで旋風。エンポリがもっとも大事にしていること (2ページ目)
開幕前、資金不足であるがゆえに、涼しい避暑地へ合宿に行けないエンポリは、40度を超す猛暑のなか、いつもの一面しかない練習グラウンドで濃密なトレーニングを重ねていた。
7月、今シーズンからチームを率いるジャンパオロが試していた布陣は3−5−2。資金力に乏しいため監督の意に沿う補強ができないまま、レンタルで獲得した選手のコンバートなどで新たな布陣を試みたのだが、最終的に断念。昨季と同じ4−3−1−2を選び、彼独自のアイデアを注入していった。
注目はMFレアンドロ・パレデス(21歳)。今季、ローマからレンタルでエンポリへ加入した。元々は「トップ下」だが、ジャンパオロによりトップ下よりやや下がり目の中盤中央で「レジスタ」としてプレー。試合を経るごとに成長を遂げている。
同じくMF(右のインサイドハーフ)のピオトル・ジエリンスキ(21歳)、MF(左のインサイドハーフ)マルセル・ビュヘル(24歳)も将来を嘱望される有望株。前者はウディネーゼ、後者はユベントスからのレンタル移籍だ。
当初、ジャンパオロの仕事は難航を極めていた。セリエB当時(2012年の夏)から3季連続でチームを率いた監督マウリツィオ・サッリはナポリへ行き(現在首位)、時を同じくして絶対的な主力であった4人が移籍(MFヴァルディフィオーリ→ナポリ、MFベシーノ→フィオレンティーナ、CBルガーニ→ユベントス、SBヒサイ→ナポリ)。資金難から、エンポリはその4人と同等の実力を持つ選手を獲得できずにいたのである。
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