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「ゴールの旨味を覚えた」。
幕を開けた岡崎慎司のプレミア第2章 (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 なかでも、"らしさ"が凝縮されていたのが23分のチャンス。チームがカウンターアタックを発動すると、岡崎はファーサイドから一気にニアサイドまで突っ走り、MFエンゴロ・カンテのクロスボールを呼び込んだ。ゴールを背にしてパスを受けると、鋭いターンからシュートを打とうとする。しかし、寸前のところでベルギー代表DFのトビー・アルデルヴァイレルトにブロックされた。得点には結びつかなかったが、岡崎のゴール嗅覚と俊敏性が発揮された場面だった。

 当然ながら、無得点に終わったことで満足感はない。折しも国内リーグ戦では、岡崎がゴールを決めたエバートン戦からFW陣の得点がストップ。FAカップ・トッテナム戦での岡崎の得点が、FW陣による久々のゴールだった。すると、試合後からチームメイトの見る目が変わり、ゴールを期待される雰囲気が生まれたという。

「前回の試合でゴールの旨味を覚えてしまった。自分で仕掛けて、ゴールを決めたら評価されるし、チーム内の空気もちょっと変わってきた。FAカップでFWが久々に点を獲ったわけじゃないですか。『もしかしたら、コイツも出てくるんじゃねえか?」みたいな雰囲気なんですよ。だからここで一発、欲しいんですよね。『やっぱ決めるなぁ』みたいな流れになる瞬間があって、今がそのときかなって。だからこそ90分間、出たかったです」

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