バルセロナが消える可能性も? CLラウンド16注目の3カード (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

 チェルシー対PSGは、高いレベルで戦力が拮抗した対戦となっている。ただし、それは今シーズン開幕前の話。現時点の予想では、圧倒的にPSG有利と見ていいだろう。

 その原因は、チェルシーに襲いかかっている「前代未聞の大不振」による。そもそも昨シーズン、プレミアリーグとリーグカップの2冠を獲得したチェルシーは、モウリーニョ体制3年目を迎えて盤石の態勢で今シーズンに臨んだはずだった。今夏のマーケットでもFWペドロ・ロドリゲスをバルセロナから獲得した程度で、目立った動きをしなかったのも、自信の表れだったはず。

 ところがフタを開けてみれば、ここまでプレミアリーグで4勝3分9敗。16位に彷徨っているのである。ジョゼ・モウリーニョ監督にとっては、自身のキャリアで味わったことのないレベルのスランプに陥っており、いまだに復調の兆しは見えていない。

 それとは対照的に、PSGは順風満帆だ。過去3シーズンのCLではベスト8止まりだったが、MFアンヘル・ディ・マリアを補強した今シーズンは、さらに戦力がパワーアップしたばかりか、ベースとなるメンバーが変わっていないためにサッカーそのものの成熟度も増している。

 さらに国内リーグでは2位との差を17ポイント以上に広げて首位を独走。シーズン後半戦は、すべてのエネルギーをCLに注ぐことができる――という大きなメリットがある。ローラン・ブラン監督も豊富な戦力を巧みにローテーションさせながら全体の底上げを図っているだけに、かつてのように決勝トーナメントの大一番で欠場者に泣くようなこともないと考えていいだろう。

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