ユーロ抽選会に姿なし。オランダ代表は過去40年で最悪のドン底 (4ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 ブリントを見れば、オランダ代表の抱える問題がわかる。ブリントは「オランダ人選手」としては文句のつけようがない。頭がよく、いくつものポジションをこなし、パスもうまい。けれども足は速くないし、体も強くなく、タックルもヘディングも今ひとつだ。

 オランダ代表はフットボールという複雑なゲームを、パスだけのものにしてしまった。それも、とても短いパスだ。オランダのジャーナリストであるミヒエル・デ・ホーグと統計の専門家サンデル・イズマが分析したところ、オランダ代表の試合ではディフェンスライン周辺の怖くないパスが目立つようになっている。アーセナルの監督アーセン・ベンゲルが「不毛な支配」と呼ぶ状況だ。ボールは保持しているが、相手をおびやかすわけではない。
(つづく)

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