移籍市場の活用で競争力上げたチェルシー、下げたマンU (2ページ目)
クラブの売り上げは増え続けるだろう。来シーズンには、テレビ放映権収入がさらに70%増える。この増収分がすべて選手に使われるわけではない。クラブは大盤振る舞いをすることはなく、逆に今までになく財布のひもを固く締めている(利益を出している現在の動きをみても、それがわかる)。デロイトによれば、選手の年俸はクラブの収益よりも上昇幅が緩やかだ。
しかし増収分の大半は、間違いなく移籍市場に使われる。この夏の移籍金の最高額は、マンチェスター・シティがケビン・デ・ブライネの獲得に使った5400万ポンド(約100億円)だったが、来年夏の最高額は8000万ポンド(約148億円)に達するかもしれない。
2 マン・シティ、PSG、ミラン、チェルシーのファンは喜んでいい
億万長者が保有するクラブは、売り上げの伸びた分以上に支出を増やす余裕がある。UEFA(欧州サッカー連盟)が6月に「ファイナンシャル・フェアプレー」の規定を緩和し、金持ちがフットボールに投資しやすいようにしたためだ。
UEFAがこの変更を発表したとき、僕はパリ・サンジェルマン(PSG)のGMジャン・クロード・ブランに会った。「今日は特別な日だ」と、彼はうれしそうに言ったものだ。
UEFAの規定緩和で最も大きな恩恵を受けるPSGとマンチェスター・シティが、それぞれのリーグの第4節終了時点で無敗のまま首位に立っているのは、決して偶然ではない。デロイトによれば、シティはこの夏、イングランドのクラブとしては史上最高の1億6000万ポンド(約296億円)を使っている。
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