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乾貴士、エイバル移籍。鬼門の地スペインで戦うには何が必要か (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO

「無名の選手でも、めっちゃうまい」

 日本で技術レベルの高さは折り紙付きとされていた家長は度肝を抜かれ、ほぼ通用しなかった。高いインテンシティの中で技量を出すという点で、日本人は拙(つたな)い。それはコルドバ時代のハーフナーも同じで、クロスを待つだけでマークを外す動きを怠り、長所を出せなかった。

 リーガでは高いスキルと戦術眼と連係がそれぞれ欠かせない。敵味方のプレーを読み取る、まずはその力量が試される。どれだけ走り回っても、呼吸が合わなければボールは出てこない。ピッチに立てる選手はプレーヤーの癖を読む能力に長け、判断が臨機応変、柔軟に相手の裏を取れる。

 では、乾はリーガで実力を発揮できるのか? 共著『日本サッカースカウティング127選手』(東邦出版)で、スペインでも指折りのスカウティング力を持つと言われるミケル・エチャリが、興味深い記述をしている。

「乾貴士。左のサイドアタッカーで右利き。基本的なボール技術が非常に高く、軽妙なドリブルが最大の特長。右足アウトサイドでボールを突きながら前に出ていくドリブルは、スピードの中にフェイントを織り交ぜ、相手を悩ます。そこからのパス、シュートのイメージも常に持つ。膠着状態に陥った試合の流れを変える、という役目ならば貴重な存在。

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