どん底から復調へ。コメントで振り返る香川真司の今季 (4ページ目)
前半戦を17位で折り返したドルトムントは、年明けの第18節で敗れてついには最下位に転落する。香川の出場時間も減っていき、楽しみにしていたチャンピオンズリーグでのユベントス戦ではホームでもアウェーでも出場がなかった。
そんな香川に復調の兆しが見えてきたのは、第26節ハノーファー戦で今季2点目を取ったあたりからだ。クロップが退任を発表してチーム全体の士気が上がったこともあるが、そこから9試合で4ゴールを決め、チームとともに調子を上げていった。最終節ブレーメン戦では1ゴール2アシストと全得点に絡み、キッカー誌のベストイレブンにも選出された。
「アジアカップが終わって、後半戦はコンディションが良かったですから、自分の中ではもっと結果が出てもいいという自信はありましたけどね。ただ、(チームに)ケガ人も出たり、なかなか上手くいかないシーズンだったと思いますし、流れっていうのがあるのかなと思います」
結果を悔しがるでもなく、復調を喜ぶでもなく、淡々とシーズンを振り返る様子が印象的だった。とはいえ最後に手応えをわずかでもつかめたのは大きな収穫である。もしあのままマンUにいたら、出場機会を得られずもっともがいていた可能性もあったはずだ。そう考えれば今季は、中堅と呼ばれる年齢に差しかかって、新たな香川真司像を作り上げるきっかけの1年と総括できるかもしれない。
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