ミランと本田圭佑の将来が明らかになる時が迫っている
オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(28)
ヨーロッパリーグはかなり遠くなってしまったが、それでもトンネルの先には、小さな灯りがまだ見える。ダービーの前夜にミラネッロを訪れたベルルスコーニが言ったように、この試合に勝てばミランは危機的状況から抜け出せるはずだった。
しかし4月19日のダービーは0-0の引き分けに終わった。この結果は全ての人を等しく失望させた。ミラニスタもインテリスタも......(特にインテル側はPKをとらなかった審判のジャッジを非難している)。
ダービーでは出場機会がなかった本田圭佑(中央)と長友佑都(BUZZI/FOOTBALL PRESS) かつてミランとインテルの戦いといえば、イタリアの、いや、ヨーロッパでの頂上決戦といってもいい試合だった。ダービーともなれば1ヵ月近く前から、その話題が新聞を賑わし始め、試合前のダービーウィークともなれば、ミラノの町はその話題で持ちきりだった。サポートするチームが異なる会社の同僚の間では、果てしない論議が繰り広げられ、反対にサポートするチームが異なる夫婦は、家庭の平和のためにもできるだけその話はしないようにしたものだ。
しかし現在は両チームとも、かつての栄光が嘘のような順位に甘んじている。そのため今回のデルビーはまるで盛り上がらないだろうとされていた。しかし試合が近づくにつれ、サポーターの気持ちはだんだんとダービーに向かっていった。かく言う私もその一人である。「ここ30年で一番重要性のないデルビー」と言われても、やはりダービーはダービー。特別な試合なのだ。
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