香川真司の正念場。アジア杯よりドルトムント合宿を

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 チャンピオンズリーグ、グループリーグ最終戦。ドルトムントはアンデルレヒト(ベルギー)に1-1と引き分けながらも首位通過を決めた。得失点差での勝負となったグループ内の首位争い。2位のアーセナルが前半からガラタサライ相手に3点を取り猛烈に追い上げたが、グループリーグ序盤戦での貯金が効いて、勝ち点では並ばれながらも首位の座は明け渡さなかった。

 これで決勝トーナメント1回戦はレアル・マドリード、バルセロナといった強豪チームとあたらないことになる。上位進出を目指すドルトムントにとっては、とても意味のあることだった。

 チーム状況はわずかだが上向きだ。MF陣ではロイスはまだ長期離脱中だが、アンデルレヒト戦でクーバ(ヤクブ・ブワシチコフスキ)とヌリ・シャヒンが戻って来た。FWインモービレも得点したし、ギュンドアンも復帰後は好調だ。DFの大黒柱フンメルスは腰痛を患ったようだが、それでも今後、年内のリーグ戦3試合はそれなりに戦える見込みが立ってきた。それだけに、香川真司は一人落ち込んでいるように見える。

アンデルレヒト戦に先発した香川真司とクロップ監督アンデルレヒト戦に先発した香川真司とクロップ監督 この試合でも序盤からミスが続いたのは香川だった。後方からのパスをワンタッチで処理し、相手ディフェンダーをかわそうとするところでひっかかり、そのまま攻め込まれてGKとの1対1に持ち込まれるシーンが前半だけで2度。味方とスピード感が全くあわず、特にMFミキタリアンがボールを持った時には、香川が視界にも入らないのか、ボールはほとんど出てこない。たまに出てきたとしても、良い体勢で受けられない。

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