内田篤人「前半で終わった」。大敗シャルケ、場外舌戦も (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 シャルケの指揮官ディマッティオは当然、消沈している。「明日、この試合の分析をしてミスを改善し、戦い続けなくてはいけない」、つまりは「今は何も考えられない」と、放心状態であることを認めるに近いコメントを残した。

 ケラーを解任し、ディマッティオを招聘した大きな理由の一つは、CL決勝トーナメント進出を実現するためだった。それはクラブの予算にもブランド価値にも大きく関わるからだ。だが、ディマッティオ就任以降、チームはなかなかうまくいっていないのが現実だ。

 たとえ勝利を収めても、内田は「勝っていてもミスも多いし」と繰り返してきた。CLでは前節アウェーでのスポルティング戦に続いて2連敗。さらにその前のホームでのスポルティング戦には勝利しているが、このCL3戦で12失点と、守備に問題があることは明白だ。

 負傷者が多く、先発メンバーに苦慮しているのは確かだが、さすがに時間がかかり過ぎている。例えばシステム。先週末のボルフスブルク戦(3-2で勝利)では3-4-3にトライし、このチェルシー戦では4-1-4-1。左SBに本来CBで慣れないヘヴェデスを置き、サンタナをCBで先発起用するなど、微妙な采配が続いている。ディマッティオが来て以来、シャルケは悪化したと言わざるを得ない。

 場外での舌戦も聞こえてくる。今年1月にシャルケを去った米国代表のMFジャーメイン・ジョーンズはこの試合中に「誰かがクラブを台無しにしている。ヘルトは責任をとらないのか」とツイート。ディマッティオを連れて来たことを含めて、シャルケのスポーツディレクター、ホルスト・ヘルトを名指しで批判した。このツイートは直後に削除されているが、ドイツメディアの格好のネタになり、まだまだ話題になっている。

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