ダービー前、本田圭佑が長友佑都と繰り広げた前哨戦
オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(11)
最近には珍しくスタジアムは満員御礼、ウルトラスの集う両ゴール裏では力の入った応援合戦と大掛かりな横断幕。まるでミラノの2チームがヨーロッパのトップを争っていた頃のような熱い空気がサンシーロには流れていた。
このダービーをより熱くさせたのは両チームのベンチ対決だった。これまではダービーのピッチで活躍してきたフィリッポ・インザーギの監督としての初ダービーであり、インテル側ではかつてインテルを何度も勝利に導いたロベルト・マンチーニのサプライズ復帰後、初試合であり、否がおうにも気分は盛り上がった。
ミラノダービーに後半28分から出場した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) もちろんダービーでの初の日本人対決にも注目が集まった。昨シーズン後半のダービーでも本田圭佑対長友佑都の戦いが期待されたが、結局クラレンス・セードルフは90分間本田をベンチに座らせたままで実現はならなかった。しかし、今回は可能性が高かった。長友もケガから復帰しているし、なにより本田はここ10試合、ミランで一番結果を出している選手だ。同じサイドで直接対峙しないのは残念だったが、ついにふたりが同じピッチに立つのを見ることができる......。しかしこの期待はまたも裏切られた。長友はキックオフからピッチに立ったが、本田はベンチスタート。トーレスと交代して最後の約20分間をプレイしただけだった。
しかしこの短い時間の中でも、本田はインパクトを見せていた、いつものように右サイドでエネルギッシュな動きをし、インテルゴールに向けても2度ほどシュートを放った。
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