香川真司、信頼取り戻せず。ドルトムントに不測の事態も

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Getty Images

 ドルトムントに全く復調の兆しが見られない。11月22日の第12節は、今季昇格したばかりのパーダーボルンと2-2で引き分けた。順位は再び降格圏の16位に後退。ドルトムントを常に大きく、そして愛情深く扱っている地元紙ルールナッハヒテンは「開幕前、今季のドルトムントは過去最高のメンバーが揃ったという意見に、全てのエキスパートは同意した。もしかしたらライバルであるバイエルンを上回るかもしれないと思われていたのだが......」と嘆いている。

 チームはこの日の勝ち点1に大きく動揺したのだろう。試合後のミックスゾーンに現れてメディア対応をしたのは先制ゴールをあげたFWオーバメヤンだけ。それも広報が時間を短く制限し、ドイツ人記者たちに詰め寄られる一幕もあった。

パーダーボルン戦に先発、後半13分に交代した香川真司パーダーボルン戦に先発、後半13分に交代した香川真司 香川真司をはじめその他の選手はチームバスに直行した。メディア対応を大事にするドイツにあって珍しい出来事で、チームの不調ぶりがかえって浮き彫りになった。また、この試合ではもう一つ、ドルトムントにもう一つ、不測の事態が起きている。復帰したばかりのドイツ代表MFマルコ・ロイスが、接触プレイによる右足首の靭帯損傷で再び長期離脱の見通しとなったのだ。チームにとってロイスの復調は数少ない明るい話題だっただけに、なんとも泣きっ面に蜂といったところだ。

 香川の状態も決して良好とはいえないように見える。パーダーボルン戦は先発して58分までプレイ。代表戦前、リーグ戦では8試合ぶりの勝利となったボルシアMG戦後に話していた、「周囲からの信頼が薄くパスがこない」「スピードに慣れないと」という香川自身の反省通りのプレイになった。

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